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執筆者の写真MAL

ひとりの人の「純粋さ」を撮影するということ。

これから撮影するポートレートの使用目的は無く、被写体である本人のためだけに撮るポートレートである場合…

当日シャッターを切り始める迄の僕のモチベーションコントロールやイメージトレーニングは、使用目的のあるポートレートに比べて、より繊細な自己管理を必要とする作業になります。

例えば、プロフィール写真や宣伝・広告など使用目的のある撮影であれば、それを意識することによりイメージトレーニングや準備もさほど難しくはありませんが、使用目的のないもの、ご本人の普段背負っている肩書きを全て外し1人の人として素直に描写しようとなると、撮る側の立場である僕としては相当のエネルギーと集中力、そこに至るまでの過程においてモチベーションやイメージのコントロールがいつもに増して繊細で敏感な作業となります。

いわゆる、当日シャッターを切る時には、ご本人のリズムやペース、その時の波長や感情などを繊細に感じながら、ご本人の「純粋さ」を描写していく過程と結果を熟すための準備。

その準備段階で何かしら外部からの刺激やストレスなどあった場合には、イメージ、モチベーション、集中力を揺るがすこととなり、自らをそれまでの状態に戻すにはそれ相応のエネルギーと時間を必要としてしまいます。

一見、シャッターを押せば写ると思われそうな写真撮影ですが、「一枚の写真」「一枚のポートレート」を深く掘り下げていくと、僕の場合ではその様な状況や状態が日々行われているのです。

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