ここに書かれている言葉通り、年々と歳を重ねる度に強くそう思う。
若い頃は何となく感覚的にそう生きて来たけれど、現在ではそれをきちんと言葉で伝えることができる。
与えられた時間には限りがあり終わりがあるということ、つまり死を意識し、偽りのない本当の自分の存在を知り、その自分の存在を最後の1秒が尽きるまで、クリエイティブに、強く、生きようと思う。
私の実人生でたどり着いたポートレート撮影のコンセプトである「存在認知」、それを実証するためにも、私自身もそのコンセプト、その言葉通りに、これからも生きようと思う。
ここにその文化がなくても、土壌がなくても、需要が少なくても、たとえ理解されなくても、秩序ある世界の中で、様々な想いを昇華させながら、自分にも他者にも偽りのない表現で生きようと、私は強く思う。
※ 私のポートレート撮影のコンセプトに掲げてある「存在認知」はストロークとも言われるもので、心理学用語でのその定義は
「あなたがそこにいることを、私は知っている」
これは私自身が幼少の頃より向き合ってきた問題でもありましたが、私が写真(ポートレート)という手法を人生において選択したことにより、「存在認知」の問題を乗り越えることができただけではなく、普通に生きていては得られないほどのストロークを与えられ、それが社会と自分を繋ぎとめておくものであることや、バランスを取るために無くてはならない私の人生そのものになりました。
しかしそれらを理論的に理解できたのは、臨床心理学を学び実践を重ねたことによるものです。
今の私がここにいて、本当の自分の存在(自己一致ができている状態)を生きていられるのは、存在認知の問題をもがき苦しみながらも、写真と心理学というこの2つを手に取ったおかげで解決できたからだと、身をもって感じています。
私のコンセプトであるポートレート撮影における存在認知は、人はその写真から癒しと勇気を与えられ、不安や悲しみ、寂しさから立ち上がり、次の人生のチャレンジに向かっていくための、きっかけを作り、それをお手伝いするものであると、私はそう信じて皆さまのポートレートを撮影しています。
Photographer MAL / 丸本祐佐
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